アポトーシスは正常な生理的プロセスであり、その過程では、原型膜質の非対称性消失と付着、細胞質と核の凝縮、ヌクレオソーム間の DNA 分裂など、特定の形態的特徴が見られます。FITC アネキシン V 染色は、アポトーシスまたはネクローシス(壊死)による細胞死の最新の段階で膜の完全性が消失する前に行います。このため、通常はヨウ化プロピジウム (PI) などの生体染色色素と組み合わせて実施し、初期アポトーシス細胞(PI 陰性、FITC アネキシン V 陽性)を特定します。膜が無傷の生細胞では PI は除外されますが、死滅細胞や損傷細胞の膜は PI に対して透過性があります。コーヴァンスにお任せいただければ、お客様の化合物の治療薬サンプル中にアポトーシスが含まれているかどうかを明らかにし、サンプルごとに各状態(生存、アポトーシス、死滅)の細胞の内訳をパーセンテージで示したデータをお渡しします。当社のフローサイトメトリーチームが、培養細胞、血液、組織など複数のサンプルタイプでアポトーシスアッセイを実施し、さらに必要であれば、各サンプル内の特定の細胞サブセットを分析します。
細胞の DNA をヨウ化プロピジウム (PI) などの蛍光 DNA 結合剤で染色すると、細胞内の DNA の相対量をフローサイトメトリーで測定することができるため、細胞周期のステージの解明が可能になります。G0 期ないし G1 期には、ひとつの細胞内に 46 本の染色分体があり、S 期になるとそれが 2 つに分裂し、そして S 期末期から G2 期、M 期にかけては 92 本となります。この手法を用いると、細胞周期チェックポイント阻害剤の効果を確かめることができます。当社では、フローサイトメトリーのエキスパートが、この方法で細胞周期チェックポイント阻害剤の効果を確認し、さらに、培養細胞、血液、組織といったサンプルの細胞周期の異なる段階における細胞の割合を明らかにします。
当社では、ホスホフローサイトメトリーもご利用いただけます。これは、新薬が細胞内シグナル伝達経路の活性化にどう影響するかを In vitro で調べられる貴重なツールであると同時に、In vivo による薬効の測定も可能です。その場合は、細胞表面マーカーの免疫表現型検査を多重化させて、異なる細胞サブセットの分析を区別します。このプラットフォームで使用する蛍光標識抗体は、タンパク質の機能を制御する特異アミノ酸残基でリン酸化が起こった時にのみ、そのタンパク質を認識します。データは非常に一貫性が高く、再現性があるため、細胞シグナル分析の独自のプラットフォームになります。