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代謝的安定性

親化合物の消失あるいは代謝物の出現を、肝細胞、肝ミクロソーム、もしくは血漿のインキュベーション後に測定すると、半減期と固有クリアランスを算出することができます。そして、被験物質の生体内分解と代謝物プロファイルを解明することが可能になります。
  • さらなる試験に対する規制の有効性

  • 血漿、肝細胞、ミクロソーム試験

  • 総合的な薬物安定性評価

代謝安定性試験に関する規制上の考慮事項

この試験は、ファーストインヒューマン試験を想定し、化合物の半減期を測定して固有クリアランスを算出するとともに、ヒト PK プロファイルを予測するために使用されます。

代謝安定性試験の方法

  • 試験システム:凍結保存された肝細胞、肝ミクロソーム、もしくは血漿のプール
  • 試験生物種:マウス、ラット、イヌ、ウサギ、ミニブタ、サル、ヒト(ご要望に応じて他の生物種にも対応)
  • 被験物質濃度:1 つの種につき 2 種類の濃度、3 通りずつ試験を実施(1 および 10 µM)

肝細胞の代謝安定性試験

被験物質を 2 種類の濃度で培養します。最大 5 つの時点でウィリアム E 培地で懸濁培養した約 1 x 106 の肝細胞 / mL を使用し、有機溶剤を加えて培養を停止します。

制御培養は、培養条件下での被験物質の安定性を特定する目的でのみ、培養培地で行います。各肝細胞ロットの代謝の完全性は、7-エトキシクマリンもしくは他の適したマーカーを用いて評価します。

血漿の代謝安定性

最大 5 つの時点で、血漿中において被験物質を 2 種類の濃度で培養し、有機溶剤を加えて培養を停止します。陽性の制御培養には、(カルボキシルエステラーゼで加水分解された)プロカインまたはその他の適した代謝マーカーが含まれます。

ミクロソームの代謝安定性試験

被験物質を 2 種類の濃度で培養します。NADPH 存在下でミクロソーム(0.5 mg/ml タンパク質)を最大 5 つの時点で使用し、有機溶剤を加えて培養を停止します。制御培養は、培養条件下での被験物質の安定性を特定するため、NADPH 非存在下で行います。

各ミクロソームロットの代謝の完全性は、フェーズ 1 酵素について、7-エトキシクマリンもしくは他の適したマーカーを用いて評価します。

サンプル分析

残りの被験物質について、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)法を用いて培養サンプルを分析します。そして、サンプル中に残っている被験物質の割合を、初濃度と比較して特定します。承認が得られれば、選択したサンプルをさらに詳細に分析し、LC-MS により代謝物の特徴づけや同定を行う場合もあります。


成果物

これらのアッセイは、細胞分画法または細胞下分画法により、薬物安定性に関する情報(半減期と固有クリアランスで算出)を提供します。さらに詳細な培養の分析を行い、代謝物のプロファイリングと同定に役立てることで、生体内分解経路を明らかにし、前臨床の試験生物種とヒト代謝物をより正確に比較することができます。